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「ふるさと子ども夢学校」になっても募る不安

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「子ども農山漁村交流プロジェクト」が発表されて、そろそろ一年が経過しようとしています。モデル地区も認定され、一喜一憂している自治体や協議会があるなか、愛称募集も行われ“ふるさと子ども夢学校”と呼ばれるようになり、サブタイトルとして、〜120万人・自然の中での体験活動の推進〜なんてものも付け加わりました。

さて、子ども農山漁村交流プロジェクト「ふるさと子ども夢学校」に関する、とある今春の調査結果が手元にあり、ちょっとだけご紹介しましょう。

先行して修学旅行などを誘致してきた農泊、農山漁村泊の先進受け入れ35団体(もちろんモデル地区)にヒアリングを行いました。都道府県主導で規制緩和措置を申し出て、「簡易宿所」などの申請をきちんと行っていたのは35団体中わずかに7団体。安全や衛生基準についての管理マニュアルを作成していたのも6団体だけでした。まともなところは2割程度ですね。

簡易宿所などの申請がされていない場合、無許可農泊であり、厚生労働省の定める宿泊施設としての法の加護は受けれません。この調査状況からはこれらの整備に、都道府県が積極的でないことがうかがえます。

さらに、数少ない(6種類ね)安全・衛生マニュアルも一通り拝読しました。それらはまさに小学校の社会見学程度のもので、とても3泊4日(子ども農山漁村交流プロジェクトのときは、7日て言うてたんやけど)、農作業などのリスクある体験を踏まえた内容ではありません。また、実施エリアに不審者が侵入した場合などに関する、防犯上の危機管理に関する記述は一切ありませんでした。

当然ながら、今後、まちむら機構などの団体が音頭をとってこれらの改善がされることがあたりまえ…なのですが…。本質的なコンプライアンスや危機管理意識が低いということが、明確に読み取れる調査でした。ふるさと子ども夢学校…一年たって、名前が変わっても内容は変わってない。

ちなみに先の調査において、施設賠償責任をかけていたのはなんと20団体!。「これだけ入っていればOK」って意味?何ともいえない状況ですね。入っていないところもありますが…。もう夏です。相当改善されているはずですが「ふるさと子ども夢学校」、もっとしっかり準備しないと困ります。モデル地区での受け入れ実験は、全て“大成功”にするのでしょうね。しかし、そこに隠れるヒヤリハットを見逃してはいけませんよ!

子ども農山漁村交流プロジェクト「ふるさと子ども夢学校」そのものが、国(省庁)の体験プログラムだったりして…。モルモットの小学生が哀れです。どうか、怪我のないように。

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コメント(6) | トラックバック(7) |2008年7月21日 07:22

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コメント

お話を聞くだに、どうも不安ですねぇ。
ホント、子供たちに何事もありませんように。

Ryuさんへ
毎度ご愛顧ありがとうございます。国まで「体験」ならどうしたらいいのだろう…良く考えると高齢者医療保障制度や、新しい学習指導要領など、全部「体験」という雰囲気がするなぁー。やっぱりこの件、“意見”発信が重要と感じておりますわ。

最近の調査結果において、状況は大きく変わってきているようです。

規制緩和が進みすぎ、さらに状況は悪化していると考えられます。まいったまいった。指導者養成講座などが各地で進むなか、問題の核心は語られていません。

そのうち新しいレポートを書きますね。

はじめまして。
カヌーやラフティングなどのアウトドア会社がたまに死亡事故を起こすことがありますね。昨年も四国だったかであった気がします。
地元の子どもたちが上級生から下級生に遊びが受け継がれる所ほどそういう話は聞かない。大人のスタンスも含めそういう視点が必要なのではないでしょうか?もちろん基本的なレスキューやCPRなどの知識は現在は必要でしょうが。

すぱあつさんへ

ご訪問ありがとうございます。
アウトドアに決して限ったことではなく、人が自然に関わる以上、さまざまなリスクが発生しますね。ましてや無菌状態に近いところで暮らしている都市部の小学生となればなおさらでしょう。
基本的なテクニックだけではなく、それらリスクに対処するべくプログラム設計、計画の段階から考えて、備えていく必要がありますね。


その通りだと思います。ご返答ありがとうございました。

「ふるさと子ども夢学校」になっても募る不安