世界遺産、熊野を舞台とした、極上のキャンプとカヌーの自然旅

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熊野古道、牛馬童子事件の「これから…」

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強い憤りを感じる事件です。牛馬童子像頭部切断事件。日本の観光文化の未成熟さや課題を露呈する出来事であるため、「なぜ?」とか「怒り」ではなく「今後」について考察します。

牛馬童子は「紀伊山地の零場と参詣道」世界文化遺産のコアゾーンにあった、極めてシンボリックな文化財です。「看板」景観・ランドマークであるため、事件を受け一旦レプリカに差し替え、改めて設置されるでしょう。ただし、不要な柵や「入れ物」に閉じ込められることになるのでは?周辺にはほかにも歴史・文化的な構造物があり、同様に閉じ込められてしまうことを懸念してしまいます。

観光地として「名前が売れる」と、こういった文化財の破損といったリスクが付きまといます。先の善光寺事件も記憶に新しいところです。では、露出しているリスクの高い文化財は全てレプリカに差し替えるべきか…?

考え方のひとつとして、そうすることで「実物ご開帳」をイベント化、定期的なニュースソースを作る手法は有効かもしれません。「正倉院御物展」のパターン…そういえば先日の「薬師寺展」は東京で大成功だったようです。

実は歴史的に「観光先進国だった」とされる江戸時代から、そういったもったいぶることによって、観光収入を得るシステムは多く存在したと聞きます。内緒で拝観料を取ったり、女人禁制のご法度を破る、ガイドサービスもあったということです。

今回の事件をきっかけに、熊野では神社仏閣などの大物は別として、文化財の「実物ご開帳」の動きが加速するのではないかと考えられます。文化財保護のためか?観光収入獲得のためか?…もちろん前者でしょう。しかし…熊野古道においては“野放図な管理状態”とおしかりを受けるのかもしれませんが、今日も信仰の対象として「ホンモノがそこに、普通にある」ことが最大の魅力だと言いたいところです。

観光振興に伴う、非常に複雑な問題です。災害復興や歴史的まちなみ保全という「お題目」で、滅茶苦茶立派な道路(観光バスがUターンできるような)を急速に整備している国土交通省、県、市の問題と無縁ではありません。やんなるかな。

●関連リンク
 ○読売新聞「牛馬童子像頭部切断 住民ら“許せない”」

●関連エントリー
 ○「熊野 本宮のまちが無くなっていた」




コメント(3) | トラックバック(1) |2008年6月20日 13:21

お誂えのカヌー旅ファーストクラスのアウトドアなみまくら

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「落書きのセンスに拍手するとき」というのがあります。全く何ともいえません。写真... [詳しくはこちら]

コメント

少し追記します。

文化財がレプリカであるという前提で設置された場合、いたづらや破損が一層ひどくなる…当然のことであり、周辺景観や環境は「殺伐」とすること。これもお考えください。


ローマの遺跡に日本の学生が落書… 2件報道されていましたが、そのニュースを見て真似をする人が出るのが心配です。

最近の日本人って、いや前からか?

遊児さんへ
ご訪問、ならびにコメントありがとうございます。わたなべです。

フィレンツェの件、そして昨日は京都の北野天満宮の件と立て続けに文化財へのいたずらが発生していますね。観光地に“来た跡を残す”いたずらは江戸時代ぐらいにも報告があり、歴史的な日本人特有の現象なのかもしれませんね。

跡を残してください!と雑記帳(類:ラブホテル…笑)をおくとか、衆人監視の管理状態にするとか…まあ、このあたりの措置では意味がないかも。

その文化財の価値が、正しく伝わっていれば、こういう事故が起こりにくいと個人的には考えたいところです。ものの希少性、無くすこと(文化喪失)の悲しさ、恐ろしさ…それらを深刻に発信・解説せず、また理解を深めようもしなかった場合…こんな事件が起こりえるのか?

あ、フェレンツェでは当然解説があったと思いますが、イタリア語なので京都産業大学の学生には理解できなかったのかもしれません。


熊野古道、牛馬童子事件の「これから…」